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【簡単解説】加圧式消火器の使い方

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加圧消火器の使い方

加圧式消火器の使い方は3つの動作で行います。(蓄圧式と全く同じです)

蓄圧式消火器の使い方はこちら【簡単解説】蓄圧式消火器の使い方 - 消防設備.com

 

①黄色いピンを上に抜く

②ホースを火元に向ける

③レバーを握る

 

メーカーによって少し形は違うけど、この3つの動作はどの製品でも基準として定められていて全国共通なんだよ。

 

それではそれそれ画像を使ってもう少し詳しく解説しますが、使い方を覚える前にお手元の消火器がいつでも使える状態であるかをチェックしましょう。

 

使える状態かチェック

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レバー金具の様子。 左:LOCKマークあり(正常な状態) 右:LOCKマークなし(正常ではない状態)

 

加圧式消火器の場合は本体上部のレバー金具についているLOCKマークの有無で基本的な判断が出来ます。

左の写真のようにLOCKマークがついていれば正常に使えます。

右の写真のようにLOCKマークがついていないと使えない場合がありますので、お近くの販売店などへお問い合わせください。

また、メーカーによってLOCKマークは使用可マークや可マークなどがあります。

 

消火器本体に腐食やサビがないことも必ずチェックしてね!
特に水回りに設置してる消火器は底面部が腐食しやすいので要注意だよ!

 

使い方①黄色いピンを上に抜く

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ピンの抜き方。 上向きにしか抜けないようになっています。

 

本体最上部についている黄色いピンを上に抜いてください。黄色いピンには間違って簡単に抜けないように、ロックカバーもしくはロックシールがついていますが、ピンを抜けば自然にとれるようになっています。
黄色いピンを抜くとレバーのロックが外れ、レバー握れるようになります。

 

 

使い方②ホースを火元に向ける

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ホースは簡単に外れます。

 

ピンを抜いたらホースを火元に向けてください。本体に側面部に固定されていますが、簡単に外れます。

 

ホースを火元に向けずに慌ててレバーを握ってしまうと、足元に向かって噴射してしまい、消火できなくなってしまうので要注意だよ!

 

 

使い方③レバーを握る

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レバーを握ったら粉末の消火薬剤が噴射されます。

 

ホースを火元に向けたら、レバーを握って粉末の消火薬剤を噴射してください。

噴射時間は全部で10~15秒です。

加圧式消火器の場合は、レバーを放しても薬剤の噴射は止まりません

 

炎ではなく、燃えているもの本体に向かって噴射してね。炎はどんどん舞い上がってくるから、燃えているもの本体を消火しないと意味がないんだ。

 

 

消火器の粉って有害なの?

消火器の粉って吸い込んでも有害じゃないの?という質問をよく受けますが、有害ではありません。主成分はリン酸アンモニウムという化学物質です。吸い込むと多少むせますが、全く問題ありません。

 

 

消火器ってどんな火災にも使えるの?

ホームセンターやネット通販でも販売していて、流通している消火器のほとんどが粉末消火器です。正式名称をABC粉末消火器といって、消火薬剤はピンク色の粉末です。粉末消火器は木材火災・電気火災・油火災など全ての状況において万能に使用することができます。

 

 

消火器の内部ってどうなっているの?

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加圧式消火器の内部構造。(粉末の消火薬剤は抜いてあります)

 

加圧式消火器の内部は炭酸ガスのボンベ、ガス導入管、粉を吸い上げる管で構成されています。(写真では粉末の薬剤は抜いてあります)

レバーを握ると炭酸ガスのボンベに穴が空き、消火器内部が加圧され、消火薬剤が放出されます。炭酸ガスで加圧するから加圧式と呼ばれています。

現在市販されている消火器のほとんどが蓄圧式です。ですが、蓄圧式の市販割合は5年ほど前から急激に高まったのであり、それ以前の消火器はほとんどが加圧式です。

よって、加圧式消火器はまだまだ現役で様々な場所に設置されています。

 

最後に、もし火災を見つけたら勇気を出して消火器を使ってほしい。初期消火は被害の拡大や建物の延焼を防ぐためにとっても重要なんだ。