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【消火器】蓄圧式と加圧式の違い

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蓄圧式消火器と加圧式消火器の見分け方

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左:蓄圧式  右:加圧式

専門的な知識がないと区別しにくい蓄圧式消火器と加圧式消火器ですが、本体上部の金具部分を見ると簡単に見分けることができます。

左の写真のように圧力ゲージがあるものが蓄圧式消火器です。

右の写真のように圧力ゲージがなく、LOCKマークがあるのが加圧式消火器です。

その他の赤い本体・ホース・レバー・黄色いピンはどちらも共通です。

蓄圧式消火器は内部に窒素ガスが充填されているので圧力ゲージがついているんだよ。

 

 

蓄圧式消火器と加圧式消火器の内部の違い

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内部構造の違い。  左:蓄圧式  右:加圧式

蓄圧式消火器は窒素ガスが最初から充填されているので、内部の構造は非常に単純です。消火薬剤と窒素ガスと薬剤を吸い上げる筒だけです。

加圧式消火器は内部に炭酸ガスのボンベがあり、レバーを握ると炭酸ガスのボンベに穴が開き、本体内部が加圧されます。なので加圧式と呼ばれています。

また、消火薬剤噴射時の特徴として蓄圧式はレバーを放せば噴射がストップします加圧式はレバーを放しても噴射はストップしません

 

 

蓄圧式と加圧式はどっちがいいの?

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蓄圧式消火器

この質問はよく受けますが、結論から言うと蓄圧式です。

蓄圧式消火器の販売量が急激に多くなったのは2013年ごろからです。

その理由は加圧式消火器による破裂事故が多く起こったためです。

加圧式消火器は前述の通り、レバーを握ると炭酸ガスが放出され、本体内部が急激に加圧されます。その時に消火器本体の底面部やキャップ部分が腐食していると、そこが破裂してしまうことがあり、大事故につながります。

死亡事故も全国で数例報告されています。

その点、蓄圧式消火器は最初から窒素ガスが充填されており、本体に腐食がおきてガス圧に堪え切れなくなっても、少しずつ内部の窒素ガスが漏れていき、破裂するようなことはありません

現在市販されている消火器はほとんどが蓄圧式です。加圧式は専門業者に注文しないと入手できない状況です。なので、ホームセンターなどで売っている消火器は蓄圧式消火器ということになります。

ひどく腐食してしまっている消火器を見つけたら、なるべく触らずに専門業者に処分を依頼しよう。絶対に使用してはダメだよ。

 

 

加圧式消火器は使っちゃダメなの?

蓄圧式消火器の販売量が多くなったのは2013年ごろからであり、まだまだ買い替えが進んでいません。よって現在様々な所に設置されている消火器には加圧式も多く含まれています。

ですが、著しい腐食が起きていない場合であれば加圧式消火器でも安心して使用してください。使い方は下記リンクをご参照ください。

 

【簡単解説】蓄圧式消火器の使い方 - 消防設備.com

【簡単解説】加圧式消火器の使い方 - 消防設備.com