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現役消防設備士による消防設備の解説ページです。

【簡単解説】消火器の選び方(薬剤の種類・サイズ・方式など)

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「消火器を買う時にはどうやって選んだらいいの?」という疑問を解説します!

 

結論を先にお伝えすると、特定の用途がなく迷っているならば、
蓄圧式ABC粉末消火器10型
を購入しておけば間違いありません。

 

 

薬剤の種類

ABC粉末

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(画像引用元:ヤマトプロテック株式会社ホームページ

普通火災・電気火災・油火災など、どんな種類の火災にも有効に消火できるのがABC粉末です。
粉の色は主にピンク色(古いものは黄色)で、特殊なガスが練りこまれた粒子の細かい粉で、主成分はリン酸アンモニウムです。吸い込むと多少むせますが、人畜無害です。
現存ずる消火器の90%はこの消火器です。
量産されており製造コストが低くいので、販売価格が最も安く入手が容易です、

 

中性強化液

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(画像引用元:ヤマトプロテック株式会社ホームページ

使用後の汚損が少なく、環境にやさしい水系消火器。冷却効果と浸透性に優れていて、放射時間が長いので、綿くずや段ボールなどの深部火災を確実に消火できるオールマイティーな液体タイプの消火器です。
外観はABC粉末とほとんど変わりません。

 

 

二酸化炭素

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(画像引用元:ヤマトプロテック株式会社ホームページ

サーバールームや精密機械におススメのガス系消火器。汚損が全くなく、機械の細部に入り込み、確実に消火します。
緑色の特徴的な外観をしています。

 

サイズ・大きさ(ABC粉末の場合)

10型

消火能力、持ち運びやすさなどを総合して最もオススメのサイズ。
薬剤重量は3.0kg。放射時間は13~15秒。
全国の消防署もこのサイズを奨めています。
ホームセンターなどで販売されているのも、ほとんどこのサイズです。

 

6型

10型よりも小型で持ち運びはしやすいが、消火能力に見劣りします。
薬剤重量は2.0kg。放射時間は13~15秒。
家庭用なら6型でも構いませんが、業務用ならばあまりオススメできません。
ホームセンターなどで販売されている場合もあります。

 

20型

消火能力は大きいが持ち運びにくく、家庭用には向きません。
薬剤重量は6.0kg。放射時間は18~20秒。
可燃性の高いものを扱う場所に設置されます。
総重量が大きく、女性や年配の方には扱いにくいかもしれません。
ホームセンターなどではほとんど販売されていません。

 

50型

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(画像引用元:ヤマトプロテック株式会社ホームページ

強力な消火能力を有しており、手で持って持ち運ぶことは困難なため、車輪が備わっています。
薬剤重量は20kg。放射時間は45~47秒。
ボイラー室や危険物置き場などに設置されます。
ホームセンターなどでは販売されておらず、専門業者からでないと購入できません。

 

蓄圧式と加圧式

蓄圧式消火器は窒素ガスが最初から充填されているので、内部の構造は非常に単純です。消火薬剤と窒素ガスと薬剤を吸い上げる筒だけです。
加圧式消火器は内部に炭酸ガスのボンベがあり、レバーを握ると炭酸ガスのボンベに穴が開き、本体内部が加圧されます。なので加圧式と呼ばれています。
また、消火薬剤噴射時の特徴として蓄圧式はレバーを放せば噴射がストップします。加圧式はレバーを放しても噴射はストップしません。
現在加圧式はあまり製造されておらず、市販されいいるものはほとんど蓄圧式です。

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www.shoubousetubi.com

 

以上のことから蓄圧式ABC粉末消火器10型をオススメします。