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【マンション・共同住宅】火災報知器の遠隔試験・外部試験とは。メリット・デメリットを解説します。

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マンションなどの共同住宅に設置されている火災報知器の遠隔試験・外部試験について解説します。

 

遠隔試験・外部試験とは

遠隔試験・外部試験とはマンションやアパートなどの共同住宅内に設置されている火災報知器の点検・試験を住宅内に入室せずに外から専用の試験器を使って実施することです。

 

遠隔試験・外部試験の手順

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左側が外部試験器と呼ばれる専用の機械です(メーカーによって外形や表示方法は異なります。写真は能美防災㈱製のものです。)
右側のような玄関横のインターホンに外部試験器を接続して試験を行います。

 

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マイナスドライバーを使ってインターホンの押しボタン下部のパネルを外した後に、中央の白い部分のカバーを外します。

 

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外部試験器と白い部分のカバーの中にある端子を専用のコードで接続したら準備は完了です。試験を開始すると右側のように押しボタンが赤く点灯します。

 

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試験中は外部試験器本体の試験中というランプが点灯し、住宅内に設置されている火災報知器の個数を確認します。
試験が終了し、住宅内の火災報知器に異常が無ければ正常というランプが点灯します。
これで試験は終了です。これを全ての住宅で繰り返し行います。

メリット

遠隔試験・外部試験のメリットは住宅の外から火災報知器の点検ができることです。
つまり在宅していなくても点検が可能なので、点検指定日・指定時間を気にすることなく外出することができます。
また点検業者と言えど、知らない他人を住宅内に招き入れることに抵抗がある人にも安心です。

 

デメリット

基本的には住宅の外から点検が完了できるのですが、火災報知器本体に軽度な変形や腐食があった場合はそれを発見することが難しくなります。
すなわち、住民本人の目視によってある程度の確認作業を行う必要があります。